カラオケで歌が上手くなる「地声を高くする方法」をボイストレーナーが解説!男女の差はあるのか?

生徒さんからこういった質問をよくされます。

地声裏声の違いってなんですか?」

海外アーティストのように地声で高い声が出せるようになりたい”と思う人が多いんです。

  • 地声高くしたい
  • 地声音域を広げたい

こんな悩みを持ったことありませんか?(何を隠そう、私が完全にコレにハマっていたのです。)
いつまでたっても高音が楽に出せない、疲れる、痛めるを繰り返していました…。

練習をすればする程、喉を痛めていく一方。
声は大きくなっていくものの、数時間練習したらすぐ声が出なくなる・・・なんてことがずっと続いていました。

当時、私は先生から『わかんないかな〜』と言われ悔しいながらも一向に上達しないのに練習が足りない!!と一生懸命練習。

レッスンでは”◯◯な感じで〜”と先生から言われても、その通りにしても全然上達しない。
◯◯な感じって何?…結局わからず仕舞いで大学を卒業しました。

あまりの悔しさに、卒業後は自分でなんとかする、調べる、これをずっと繰り返しているうちに◯◯な感じで〜の正体(科学的根拠)を調べることに行き着きました。すると…

驚きの事実がわかったのです!!

声帯を操る筋肉の仕組みを理解すると真逆のことを言ってるんです。
(昔の自分にタイムスリップして教えてあげたいほどの内容…涙!)

この事実を知ることであなたの声は劇的に変化を遂げることになるでしょう。
では早速、喉の解剖を学んでいきましょう。

ボイストレーナー

私がボイストレーナーとして500名以上個人レッスンをして経験してきた経験から『地声を高くする』について解説しますよ!

地声を知ろう!

地声とはどういう声なのか?
声帯を操る筋肉の仕組みではどうなっているのか?
声を出したらどんな体感がして聞いてる相手にはどんな印象を与えるのか?

地声の仕組みを知ることで、地声を高くする方法を身につけることができます。

地声とは?

地声とは?
生まれつきの声、持ち前の声、あるいは声帯の全部が緊張して起こる声のことです。

地声とはとてもざっくりしたニュアンスになります。

音声学や生理学ではそれぞれで考え方(定義)が異なるのですが、この時点ですでに100%の答えがないことにお気づきでしょうか?
同じ人は二人として存在しない訳ですから声の理論には100%絶対ということはありえないのです。

もちろん体のことですから体調も毎日変わりますし、それに伴って声も毎日変化しているんですね。

地声のイメージ・感覚

しゃべり声、低い声、胸に響く声といったところでしょうか、聞いている相手には”張りがあり力強い印象”を与えるようです。

地声の状態や仕組みについて

声帯は裏声と比べて短く分厚くなり低い声になりやすく声帯全体が振動しています。

地声の時の声帯を操る筋肉の仕組み

・裏声と比べて声帯は短く分厚くなっている

・音の高さは低くなりやすい

・喉仏あたりにしっかり振動を感じる(個人差あり)

ボイストレーナー

地声を高くするのに一番重要な知識!それは「地声は声が低くなりやすい」ってことです。

裏声を知ろう!

裏声とは地声と比べてどういう声なのか?
声帯を操る筋肉の仕組みではどうなっているのか?
声を出したらどんな”体感”がして聞いてる相手にはどんな印象を与えるのか?を調べてみました。

ボイストレーナー

裏声とは何か?喉の中(声帯)ではどうなっているのか?私がわかりやすく説明します!

裏声とは?

裏声とは?
自然な発声では出せない技巧的な声で、地声から裏返った喚声点を越えた声のことです。

地声と裏声は正反対の声

”自然な発声”という言葉がまず地声と比較があってこそということを表しています。つまり裏声地声とは正反対の声ということがわかりますね。

裏声のイメージ

”クラシックの人のような声”“弱い声”など、地声の印象とはかなり違うようですが、はっきりとコレが裏声です!!って言い切れないのも現状のようです。

裏声の感覚

喉を手で触った感触としては、地声と比べて振動はより細かくなるので振動の感じ方は弱くなり、声は喉よりも上の鼻の奥や頭などに響く感じがします。(個人差あり)聞いている相手には地声と比べて”柔らかい声””透き通るような声”など、地声とは逆のイメージになるようです。

裏声の声帯の状態や仕組みについて

声帯の閉じ具合が弱く薄く伸ばしている状態が主で音程調節をするための声です。

裏声の時の声帯を操る筋肉の仕組み

・声帯の厚さや張り(長さ)を調節し薄く張っている状態

・音程調節に適した筋肉を使っている

・高い音が出しやすい

“喚声点”とは地声を出しやすくする筋肉が優位とする音域から、裏声を出しやすくする筋肉が優位となる音域への、中間の点のこと!
音の高さで言えばピアノの鍵盤で例えると真ん中の”ミ”(E4)の音だと言われています。これに男女差はほとんど無いとも言われています。

ボイストレーナー

地声を高くするのに一番重要なことは「裏声は声が高くなりやすい」ってこと。

地声と裏声の状態を比較してみるとわかることがあります。それは・・・

  • 地声≒低い声が出しやすい
  • 裏声≒高い声が出しやすい

※これらは地声と裏声の比較です。100%の答えではないので≒になります。

つまり、

地声で声を高くしたいってのは・・・

真逆なんだよ!てことです。

ここで冒頭の悩みについて思い出してみましょう。

  • 地声高くしたい
  • 地声音域を広げたい

気づきましたか!?

だがしかし!地声のような高い声を楽に出せてる人が沢山いるのも事実。いよいよ確信に迫ります。

実際に地声を高くする練習方法を音源と一緒に練習していきましょう。

地声を高くする練習方法

地声では低い音になろうとするということが分かりました。
裏声とは地声と比べて声帯が伸びて薄くなり張りのある状態で長さでいうと長くなるということですが、地声で高い音となるとどういう状態なのか?

ボイストレーナー

喉の仕組みについてもう少し深く考えていきましょう。
後もう一息です!

地声を高くするには裏声の練習をする

その答えはズバリ、出来るだけ楽に出せる裏声を練習することです。

ボイストレーナー

地声を高くするのに裏声を練習するんです。

地声裏声の関係を考えれば当然のことなんですね。
ここで大事なことが”出来るだけ楽に出せる裏声を練習する”というところ。

ポイント

裏声が上手く出せていない声は、地声を出す時の筋肉も一緒に動いています。
高い音を出そうとしているのに、低い音を出そうとする筋肉も作用してしまっていることが多いのです。(この理由は一例にすぎず他にも原因がある)

裏声が出来るだけ楽に出せるようになる=低い音を出そうとする筋肉があまり作用していない

つまり、高い音が出しやすくなる技術が身に付いてくるんです。

ポイント
裏声が楽に出せているときは、喉首まわりや肩などはほとんど力まずに出せている時。
ウエストまわりはキュっと無理なく引き締まっている感じになっています!

この状態が出来るようになったら裏声を強く出せるように練習を進めていきます。後に今まで求めていた

地声で高い声=強い裏声

が出来るようになるのです。
地声で高い声と思って練習しても上手く出せない理由がやっと解決しましたね!

地声を高くする発声練習をしてみよう

STEP.1
喉仏を自由に動かせるようにする
喉仏を上げたり下げたりする練習をします。この時、力まずちょっとふざけてやるぐらいが丁度いいですね!口を閉じてハミングで低い音高い音を繰り返してみましょう。低い音の時は喉仏は下がってる状態、高い音の時は喉仏は上がってる状態になります。
STEP.2
裏声が楽に出せるようにする
少し高いめの音(真ん中のソの音ぐらいで) 『ヒ〜』や『フ~』と言った言葉で裏声で楽に出せる言葉を使って練習してみましょう。
STEP.3
地声と裏声をハッキリ分けられるようにする
母音だけで(あ・い・う・え・お・どれでも)低いソと高いソを地声と裏声をハッキリ分けて声を出す練習をしましょう。
STEP.4
裏声を大きく出せるようにする
地声と裏声がハッキリ分けられるようになったら『ファ〜〜』 っと大きくあくびをする感じで大きい声の裏声を練習してみましょう
STEP.5
声帯をしっかり閉鎖させて裏声を大きく強くする
先ほどの大きい裏声の状態からほんの少し『えorい』を混ぜるようなイメージで声帯を強く閉じていくことで強い裏声になってきます

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地声を高くする・男性と女性の差はあるのか?

まず、男女で差があるのか?というところですが、性別という意味では差はありません。

だだし、声帯や舌や骨格など発声する時に関係している部分の形や大きさによって差は生まれると言えるでしょう。

十人十色という言葉通り、似た声の人はいても二人として全く同じ声の人はいないということになります。(似ていても聞き取れない範囲の周波数で差が生まれます)

また、男女関係なく男性ホルモンが多く分泌される方は声帯が長くなる傾向があるとされていることから女性でも低い声の方がいるということになります。

声帯の長さは身長と比例しているとも言われ背の高い人も声帯が長くなる傾向にあり、私自身も身長が170センチなので声も女性としては低めです。

地声を高くする方法まとめ

地声と裏声とはいかにざっくりしたニュアンスで、明確な答えが出ないのも当然のことだということがおわかり頂けましたでしょうか。

よくある悩みの一つである地声で高い声を出すとは喉の中の状態では真逆のことが起こっていて、更には音程を調節する筋肉が実は裏声を出す時に使う筋肉と同じだったということについても分かりました。

しかし地声で高い声が出せるようになる為には、今回紹介した筋肉の種類意外にも様々な筋肉の関わりがあり、今の喉の状態や自分の声帯の強みや弱みなどを正しく理解しておく必要があります。

そして元来、声帯とは『不随意筋(平滑筋)』といって内蔵などと同じ筋肉の種類でできており、反回神経によって支配されていると言われています。手足のように意図的に自由に動かすことは不可能なんですね。

発声練習ではメンタル(精神面や心の持ちよう)やエモーショナル(感情面)更にはスピリチュアル(目には見えない何か感じるもの)を柔軟にしておくことが不可欠になってきます。

世の中には様々なボイストレーニングの方法が紹介されていますが、言葉の意味や内容が今の自分の状態の場合、どう作用してどう変化するのかを理解することが出来て初めて効果として現れるのです。

本やブログや動画などを見て練習したのに上手く出来なかったといったことも決して少なくはないでしょう。
そういった場合には、正しい知識を得ることと同時に1回のレッスンであなたが納得のいく答えと結果を出してくれる先生の定期的なレッスンを受けることをオススメします。